布袋さまのいる花見寺
修性院は、東京都荒川区日暮里の谷中銀座近くにある日蓮宗のお寺です。歌川広重(1797-1858)の『名所江戸百景』に描かれている当寺院は「谷中七福神めぐり」の一つでもあり、本堂に祀られた布袋さまが、皆さまをほのぼのとしたお顔でお迎えしております。
縁起・歴史
日暮の里の花見寺
当寺院は、430年余り前の天正3年(1575年)に感應寺(今は谷中霊園及び天王寺)第六世修性院日運上人よって開創され、運啓山 修性院と号して、元禄年間(1668~1704)の頃に現在の地に移転しました。
この頃、歌川広重が『名所江戸百景』の「日暮里寺院の林泉」という題で当寺院の境内を描き、俳人・菊岡沾涼が江戸の地誌『江戸砂子』に「修性院、当院の庭風景おもしろし」と書くなどして、やがて当寺院は、通称「花見寺」と呼ばれるようになりました。
その後もこの辺りは賑わい、訪れた人が日の暮れるのを忘れるということから「日暮の里」とよばれるようになりました。特に桜の咲く頃には、朝から夕刻まで遊歴の人々で賑わい、長唄や浄瑠璃、歌や俳諧の会なども催されてたようです。その頃の様子を正岡子規は次のように歌に詠んでいます。
踊るかな 春の夕日の 影法師
踊れ踊れ 花のちるまで 暮るるまで
(正岡子規)
年間行事
修性院では数々の年間行事を行って皆さまをお待ちしております。
- 毎月毎月の第3土曜日 午後2時 信行会
- 6月団体参拝
- 7月13日 新盆法要(午前10時)
- 7月21日 お盆施餓鬼大法要(正午より)
- 10月16日 お会式法要(正午より)
- 11月23日 布袋尊大祭・コンサート等
谷中七福神めぐり
谷中七福神めぐりの布袋尊
修性院は「谷中七福神めぐり」の中のひとつで「布袋尊」を安置しております。江戸の年始め、七福神めぐりは庶民が行う年中行事の一つでした。なかでも「谷中七福神めぐり」は古い歴史があり、修性院に安置されている「布袋尊」は江戸庶民にも親しまれてきました。
文化財
歴史ある文化財
一塔両尊像(荒川区文化財)
本堂正面中央最上段の左右にお二人の仏様のお姿を拝することができます。 これを 一塔両尊 といい、「南無妙法蓮華経」と書かれた宝塔に向かって左側が釈迦牟尼仏 、右側が多宝如来です。本堂の像は、仏師・今井庄左衛門の作で、願主は桑山一玄(布施藩主) 。寛文十三年(1673年)に造られたものです。
版木感応三十番神(荒川区文化財)
三十番神とは、毎日交替で国家や国民などを守護するとされた30柱の神々のことです。日蓮宗では法華経守護の神々とされています。
感応とは旧感応寺(谷中)のことで、感応寺に奉られている三十番神であることをいいます。
修性院に所蔵されているのは、寛文年間
(1661~1673)に仏師・豊前初五郎によって造られたもので、願主は本阿弥六郎右衛門 。
三十番神(荒川区文化財)
三十番神は、毎日交代で国家や国民を守る三十の神々のことです。
建長元年(1256年)、日蓮聖人28歳の時、比叡山横川の定光院で、毎朝沐浴して法華経を読誦していた時、日蓮聖人の大願に歓喜され、日蓮聖人を励ます為に影現されたのが法華経守護の三十番神といわれています。
修性院に所蔵されているのは、寛政十三年(1801年)に画師の一亭光信によって造られたものです。
布袋尊像(荒川区文化財)
布袋は、唐代末から五代時代にかけて中国浙江省寧波市に実在したとされる伝説的な仏僧です。日本では七福神の一神として布袋さまとして親しまれております。
布袋さまは、大きな袋を背負った太鼓腹が特徴で、手にした袋から財を出し与えてくれる弥勒菩薩の化身ともいわれています。
修性院に安置されている布袋さまは江戸中期に制作されたもので、荒川区の文化財となっております。
日尾荊山衣幘碑(荒川区文化財)
永代墓地について
永代供養墓について
永代供養墓地とは、お寺が永代にわたって供養するお墓のことです。修性院ではお墓についてのご相談も賜っております。詳細については下記よりお問い合わせ下さい。
花見寺だより
修性院では、行事や出来事などを「花見寺だより」として発行しております。
過去の号(バックナンバー)
お題目(御朱印)
お守り グッズ
修性院では布袋さまに因んだお守りやかわいいグッズもご用意しております。ご参拝の折にお求めいただけましたら布袋さまのご利益があるかも。
地図(アクセス)
交通
JR山手線「西日暮里駅」から徒歩5分
地下鉄千代田線「千駄木駅」から徒歩8分。
住所
東京都荒川区西日暮里三丁目7-12
TEL : 03-3823-0873
メール:hanamidera@wave.plala.or.jp
写真:佐野篤